筒見待子さんが愛人バンク『夕ぐれ族』を設立したのは81年。愛人志願のOL、女子大生が殺到し、『夕ぐれ族』は流行語にもなった。が、83年に売春防止法違反でブームはあっけなく去った。その後94年にも手掛けていた金融業でトラブルを起こし、一時代を築いた寵児も急速に色褪せた。(週刊ポスト2004年1月1・9日号より)
筒見さんの実家である都内のクリーニング店を訪ねると、実兄が店先で応じてくれた。
「もう事件のことは忘れて、元気にやってます。今は一人暮らしですが、時々、ここにも遊びに来ます。会社勤めをしていると聞いています。いえ、怪しい仕事ではなく、まともに働いているということです」
彼女も社会復帰し、一時は絶縁状態だった実家との関係も復活したわけだが、近所の住人はこういう。
「母親は“お父さんの体調が悪いから、帰るたびに栄養剤やらを持ってくるの。本当は親思いの子なのよ。クリーニング店の仕事も手伝ってくれる”とうれしそうに話していましたが、でも、本人の姿を見たことはないんです。近所の目が気になるのか、夜遅くに帰るようですね」
若い女性たちが、ますます自由な性を謳歌するなか、先駆者の思いは?