3%で導入された消費税率は、当初、日本全国から大反対を巻き起こし、参院選では社会党の「マドンナ・ブルー」まで演出した。しかし、5%への税率アップでは……。ビートたけしさんは当時怒っていた。(週刊ポスト1996年7月26日号より)
来年(1997年)4月から「消費税率5%に値上げ」ってのがいつのまにか決まっちゃってさ。なんだよ、消費税導入のときにはニッポン中であんなに大騒ぎしたのに、今回の5%にたいしては国民はどうしてこうも静かなのかまるでわからねェっての。
政府も政府でさ。消費税5%に値上げする前に国民から文句が出るといけないからって所得税の特別減税なんてミエミエの壊柔策をとりやがってさ。所得税減税たってふつうのサラリーマンにとっちゃ、すずめの涙ほどの金額だろう。そんなんで少しは生活の足しになってるのかどうか、またしてもだまされたって感じなのに、国民はよく怒らねェよな。
オイラなんかは消費税はいくらになってもいいんだよ。
そうじゃなくて問題なのはオイラたち国民が一生懸命働いて稼いだカネにかける所得税の税率のほうなんで、消費税20%にしてもいいから「所得税はナシ」にしてくんないかなってね。そうすりゃオイラたち国民ももう少し一生懸命働く気になるんだけどなって。
それにしても、今回の国民の静けさを見るにつけ“3%消費税導入”のときはあんなに猛反対した消費者団体や野党の政治の政治団体はみんなどうしちゃったんだろうな。自殺しちゃったわけでもあるまいしさ。急に羽振りがよくなって、もう消費税なんていくらでも払うよってなっちゃったのかなってね。
けっきょく消費税値上げに反対だなんだっていっても、いまのニッポンの国民生活はそれだけ豊かになってしまってて、消費税を5%に上げようが10%にしようがガタガタいわない、最後は誰も困らないってことなんだろうな。