「消費税反対」で89年参院選に社会党の「マドンナ・ブーム」(おばさん候補者が軒並み当選した出来事)が巻き起こった。“主婦の感覚”“お茶の間の論理”が政治を押し通す風潮が一時期支持されたものの、その後消費税問題を受け、“待った”の声が上がっていたのだ。(週刊ポスト1989年7月28日号より)
180万部以上も売れ、流行語大賞も獲得した四コマ漫画『オバタリアン』(堀田かつひこ作)。傍若無人で図々しいオバサンのことを映画『バタリアン』に登場するゾンビと掛け合わせ『オバタリアン』とよんだ作品である。そのオバタリアンにたとえて、評論家の俵孝太郎氏は当時の女性ブームについてこう語っていた。
「目先のちょっとした得に突っ走り、日本の税制、財政、通商などについてまともで明確な考えを持ち合わせていない。政策が目先の得で振り回されてしまう。それがオバタリアンの特徴ですね。そういうオバタリアンが参議院、衆議院をのしのし歩き回るようになれば、日本は必ず彼女らによって破滅させられますよ。
6月の参院補選で当選したオバちゃんに財政、金融、貿易、通商のことが理解できるのか。これは非常に大きな問題ですよ。もし僕に2時間くれて座談会をやらせてくれたら、論破してみせますよ。
出すのは舌だって嫌だ。その代わり、もらうならネコの死骸だってもらう。無際限に
カネをバラまくのが福祉だと思っている。それでいてカネを出すのは自分でなく人が出してくれると考える。要するに欲張りなんだ。こんな欲張りオバタリアンに政治を任せたら、日本国は破滅してしまうよ」
やみくもに「反対」「反対」を唱えるだけでなく、それならぜひオバタリアンたちに政治の論理も組み入れた消費税代替案を出していただきたいものであるという。