『渡る世間は鬼ばかり』が好評の脚本家・橋田壽賀子さん。80歳を超えてもなお衰えない創作の秘密を、眞鍋かをりの『ココだけで教えて!』で明かした。(週刊ポスト2008年5月16日号より)
眞鍋 テレビドラマの脚本を書く魅力って、どんなものですか?
橋田 私は配役については、何も口出しをしないんですけど、同じ脚本でもAさんとBさんとでは演じ方が違うんですよね。そこは小説にはない脚本家ならではの面白さだと思います。配役は、作家が手をつけたら面白くないんです。イメージ通りで発見がないもの。
眞鍋 でも、あまりにもイメージが違いすぎるような場合はどうします?
橋田 消しちゃいますね(笑い)。プロデューサーがキャスティングした人が気に入らないと、海外に出張に行ったり、どこか地方に出張に行ったり、どこか地方に行っちゃったり(笑い)。
眞鍋 今後、書いてみたいテーマは?
橋田 たとえばイチローさんを通してアメリカ人を描くとか、そういうことは考えているんですけどね。
眞鍋 橋田さんがイチロー選手を?
橋田 シアトルは昔、日本人収容所があって、日本人が虐げられていたところなんです。今、そういう経験をなさった方の資料を集めているんですけど。……まだ誰にも話してないの。今いっちゃったけど(笑い)。