尖閣諸島をめぐり次から次に理不尽な要求を畳みかける中国。ジャーナリスト・櫻井よしこ氏は中国の姿勢にこう訴える。
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尖閣諸島が日本固有の領土であることに、異論をはさむ余地はまったくない。1895年、日本政府は周辺各国に照会し、尖閣諸島が無主であることを確認したうえで領土編入を閣議決定した。無論、清朝の中国も異議は唱えていない。1910年当時で248人の日本人が暮らしていた。
その後、40年に戦況悪化に伴って島民が引き揚げ、無人島となったが、51年に調印したサンフランシスコ平和条約では、尖閣諸島は日本領土のまま米国の施政権下に入り、ここでも中国は異を唱えなかった。
ところが68年からの国連アジア極東経済委員会(ECAFE)による東シナ海の海底調査で、埋蔵量豊富な油田の存在の可能性が高いとわかると、中国は71年になって突然、領有権を主張し始めたのである。
国連海洋法に従えば、東シナ海は中間線をもって折半するのが国際常識だが、中国はそれを無視し、大陸棚説を持ち出して自国の領土領海だと主張する。領海侵犯し、巡視船に衝突してきた漁船の船長を逮捕するのは当然だが、その当然の行為に対して『報復』を持ち出す。いかにも理不尽で、日本人の感覚からすれば卑劣極まりない行為だが、これが彼らの『中華帝国的思考』であることを我々は知っておかなければならない。
※週刊ポスト2010年10月8日号