食欲の秋、ということで絶品「秋の味覚」として、雑誌『料理王国』元編集長、土田美登世氏がセレクトしたのが『赤坂 湊』の「日替わり2種小丼」だ――。
秋の味覚というと、肉というより旬がもっとはっきりしている魚がまず浮かぶ。ここ『赤坂 湊』は旬の魚や野菜をがっちりと食べさせてくれる店だ。主人の中湊茂さんは、埼玉の鮮魚店の3代目で、高校時代から食べ歩きが趣味というだけあって、日本料理をベースにした食べ手のツボをついた料理を出してくれる。ツイッターでは築地で購入した食材をつぶやいており、それらが献立に登場。基本的には昼も夜も日替わりである。
ランチタイム(売り切れ次第終了)には旬の食材を盛り込んだ数量限定の2種類の丼が人気だ。今回は締めサバをさっと炙ってゴマだれをかけ、薬味を散らした「秋鯖のごまだれ丼」と「新いかと新銀杏のかき揚げ丼」だが、日によって栗ごはんや、茸ごはん、秋鮭といくらの親子丼なども登場する。そろそろ新米も出てくるからこうした丼はさらに楽しみ。
ちなみに、いつもなら秋刀魚もあるが、今年は高値で脂ののりも今ひとつのため「気持ちがのらない」そうだ。
『赤坂 湊』の「日替わり2種小丼」1000円
(秋鯖ごまだれ丼&新いかと新銀杏のかき揚げ丼)
【住所】東京都港区赤坂2-17-73前岡ビル2、3F
【電話番号】03-3589-0313
【営業時間】11時45分-14時(LO)、17時半-22時(LO)
【定休日】日祝(土は夜のみ)
【カード】夜のみ可
赤坂駅から徒歩約5分のビルの中にある。2階はカウンター中心、3階は個室。落ち着いた雰囲気のなかで魚を中心とした旬の素材が味わえる。主人は都内の有名フランス料理店で修業をした経験があり、ワインの知識も豊富。おいしい酒が多数揃えてあるのも魅力だ。夜は単品のほかお任せ6500円から。西麻布には古民家を改装した姉妹店「葡呑」があり、こちらも人気
撮影■河野公俊
※週刊ポスト2010年10月8日号