モツ焼き屋に行ったりラーメン屋に行ったりと、庶民派をアピールする「小市民宰相」が幅を利かせる最近の日本の政治事情。昭和の総理には良くも悪くも大物感が漂っていたものだが、中でも全開バリバリの「親分肌」といえば、やはり田中角栄だ。
なにしろ39歳で郵政大臣になったころから、周囲に「おやじ」と呼ばれていた田中。引き合いに出して申し訳ないが、30代にも見える自民党の山本一太議員も、現在すでに52歳だ。
そして、田中は、とにかく金の払いっぷりがよかった。説教じみたことはいわず、恩着せがましくもない。「邪魔になるものではないから取っといてくれ」と金を渡して、その話はおしまい。あとは、明るい話題で酒を飲んだという。
※週刊ポスト2010年9月17日号