73年のデビュー曲『涙の太陽』が30万枚の大ヒットした安西マリア。長い黒髪、日焼けしたスレンダーボディで男たちを悩殺したが、その妖艶さは変わらない。安西本人がデビュー当時の状況とその後の半生を振り返っている。(週刊ポスト2003年5月23日号より)
「デビュー当時の睡眠時間は平均2時間。よく点滴を打って歌っていたものです」(安西)
彼女は78年、トラブルに巻き込まれて芸能界を引退。一時はハワイへ移住するなど、紆余曲折があった。
「その後、元マネージャーと結婚したんですが、彼が独立して芸能プロの社長になっちゃった。嫌で辞めた芸能界の仕事に私まで巻き込まれ、それが原因で5年ほどで離婚しました」(安西)
離婚後は実家のある千葉県成田市でクラブを経営していたが、約4年で閉店、再び芸能界に復帰した。
「友人に誘われて行った六本木のライブハウスで、たまたまステージに上がって歌ったんです。そしたら嫌で仕方なかった歌がすごく気持ちよく歌えて。それがきっかけでやる気になったんです」
現在は月2回、ライブハウスのステージに立つ。元夫との間に生まれた長男も高校を卒業、俳優を目指して演技と歌を勉強中だという。
「昔は、芸能界に興味があるそぶりすら見せなかったんですが(笑い)。いつか、一緒にステージで共演したいですね」