高度経済成長真っ只中の60年、舌足らずの甘ったるしい声で歌う『月影のナポリ』が大ヒットした。ティンタレーラリルンナーという妙なフレーズが印象的な曲で、18歳のロカビリー歌手・森山加代子(現在はかよ子)は一躍スターダムにのしあがった。しかし、その半生がすべて順風満帆だったわけではない。彼女の人生の転機とはなんだったのか。(週刊ポスト2003年5月23日号より)
『月影のナポリ』ヒット後も『じんじろげ』や『パイのパイのパイ』という思わず吹き出してしまうようなタイトルの曲が次々とヒットし、故・坂本九とのコンビによる映画でもファンを引きつけた。
だが、独立後は一転。地方のキャバレーなどで歌うなど辛酸も舐めた。
70年、ラジオの深夜放送で流れた『白い蝶のサンバ』が若者の支持を得て復活。その曲が彼女のプライベートにも大きな変化をもたらせた。
「その曲をプロデュースしたのが現在の夫の林豊臣さんです。世田谷の邸宅で夫婦水入らずで仲睦まじく暮らしていますよ」(森山の友人)
芸能活動も地道だが順調の様子で、「平尾昌晃さんたちとウェスタンカーニバルを開催したりしています」(所属事務所)という。