“永遠の処女”という冠が被せられる伝説の女優・原節子が、映画『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』でスクリーンを去ってから既に40年以上の歳月が流れている。なぜ彼女はメディアに登場しなくなったのだろうか。(週刊ポスト2003年5月23日号より)
映画評論家の白井佳夫氏はこういう。
「彼女は作品を厳選して出演していた人で、日本女性の美をスクリーンに体現した女優です。日本映画が斜陽になると共に自らの肉体の衰えを悟り、潔く映画界ともマスコミとも絶縁した。数年前、NHKから彼女の肉声を残したいということで、ラジオでもいいからと出演交渉の依頼を受けて手紙を書いたのですがナシのつぶてでした」
山懐に抱かれた鎌倉の古びた一軒家で、甥と共に元気で余生を送っているという。