19歳で東映入り、片岡千恵蔵、市川右太衛門、月形竜之介、萬屋錦之介らが活躍していた時代劇全盛期の映画界で、お姫様役で活躍した丘さとみ。1か月に5本の映画に出演したこともあるほどの売れっ子だった。03年、『週刊ポスト』の取材に丘本人が応えている。(週刊ポスト2003年5月23日号より)
「女優業? 結婚してからは休業中です。長期間、家を空けて主人と会えないのが嫌なので……」
65年、ロケ先のサンフランシスコで出会った日系2世の商業デザイナーと結婚。3人の子に恵まれるが、75年に離婚して帰国した。10年間のブランクにもかかわらず、すぐに仕事が殺到したというから、人気のほどがわかる。
ところが再婚を契機に再び芸能界から遠ざかる。お相手は6歳年下の司法書士。
「妹の知人が開店した焼き鳥店で、ひとりポツンといたお客さん。店のママに紹介されて話をしているうちに……。気が合うということなんでしょうね。主人も私も鉄道旅行が好きで、温泉巡りをしたりしています。家にいる時は、必ず5時15分に帰ってくるんですよ。激辛カレーが大好きだから、いつも作ってます」
自宅の居間にも夫の写真。女優業どころではないようだ。
「今が私の人生の中で、いちばん幸せだと思います」とキッパリ。こういえる人生、羨ましい限りだ。