「日本美人」の代名詞といわれた山本富士子。第1回ミス日本受賞者としても有名だが、70歳を過ぎても女優として活躍している。(週刊ポスト2003年5月23日号より)
01年には東京・明治座で『明治おんな橋』の1か月公演を行なっている。
所属事務所によれば、「今後も家庭生活とのバランスを取りながら、無理のないペースで活動したい」ということだが、「山本さんのすごいところは、一度たりとも病気などで舞台を休演したことがないことです。一緒に仕事をしている者としても頭が下がりますね」(脚本家の田中喜三さん)というように、その責任感の強さから、仕事も吟味しているということなのだろう。
山本の趣味は一筆画。都築彩道氏に師事して10年になる。
「一筆画の醍醐味は一息でサッと描く、失敗できないところにあります。その緊張感、集中力の必要性は、舞台とも共通するのでしょう。山本さんの腕前は、さすがというしかありません」(都築氏)
展示会にも出展する実力といい、自宅で来客をもてなす際も、手料理の献立に一筆画を添えるという。料理は得意で、スタッフにも振る舞う鍋は“富士子鍋”と呼ばれる人気メニューになっている。もちろん、この手料理を最も味わっているのは、作曲家で夫の山本丈晴氏。その夫は、今でも「妻は日本一の美人」と、のろけているそうだ。