2010年7月、参院選直前にみんなの党の渡辺喜美代表は、SAPIOのインタビューで、小沢一郎氏について「官僚から見ると転がしやすい」と語っていた。(SAPIO 2010年6月9日号より)
「消去法で支持を得たのではないと思っています。みんなの党にはいくつか特徴があって、第一は自慢じゃないがおカネがない(笑)新党をつくるには10億円かかるというのがこれまでの永田町の通り相場だったが、カネがないんだから使っていない。元手がほとんど無しでできた新党は初めてじゃないですか」(渡辺代表)
渡辺氏は、民主党や自民党の古い政治体質が抱える《政治とカネの問題》へのアンチテーゼだと切り返してきた。
では、その渦中にある小沢一郎・民主党幹事長という政治家をどう見るか。
「小沢さんには、権力を失えば政治の師である角さん(田中角栄)のようにやられるというトラウマがあるのではないか。だから、権力の座を手放さないままで、民主党をどんどん大きくしようとしている」
しかし、権力の座にしがみついても「政治主導」は実現できないと批判する。
「脛(すね)に傷を持つ政治家は官僚に弱いんです。逆に官僚から見ると転がしやすい。鳩山さんが母親からもらった巨額の“子ども手当”にしても、小沢さんの4億円の“タンス預金”にしても、2人の政治資金問題は最後は課税の問題になる。その傷が広がるかどうかは国税の匙(さじ)加減一つじゃないですか。だから国税庁を配下に置く財務省には“お手柔らかに”ということになり、官僚と本気で戦えない。結局、政治主導どころか財務省の官僚が政権を仕切ることになる。現状はまさにそうです」