「酒文化研究所」が発行する『月刊酒文化』2010年6月号によると、「ほぼ毎日飲んでいる」人で、休肝日を設けている人は28%にとどまったという。なぜ休肝日は大切なのか? 医学博士の中原英臣氏はこう語る。
「“人生50年”と言われた時代なら、どんな酒豪も肝機能の限界と寿命との差はほとんどなかった。しかし男性の平均余命はほぼ80歳。生涯、酒を楽しく味わいたいのなら、肝臓を気遣うのは当然です」
もし、飲み続けたらどうなってしまうのだろう?
「肝臓がんや肝硬変の大半は、ウィルスが原因です。これは診断による早期発見で治療も可能です。酒飲みが注意したいのはアルコール性肝炎。過度に飲み続けた結果、肝臓の細胞が壊れて修復不能になる病気です。肝炎と診断されれば、もうお酒は飲めません」
厚生労働省は、週に2日の休肝日を推奨しているが、中原博士は「週2日は、昼間から飲酒の習慣のある欧米人向けのもの。日本人は昼間は酒を飲まないというすばらしい生活習慣があるので、週1晩でOK」だと語っている。「週2日は無理でも、週1日ならなんとかなる」という人は、ぜひとも休肝日を設けてみてはいかがだろう。
※週刊ポスト2010年10月8日号