モンゴル――世界有数の埋蔵量を誇るレアメタルの資源国でもあり、急速に経済発展が進む同国は、日本にとっても重要な外交的要衝となる。
そんな同国大統領・ツァヒャー・エルベグドルジ(47才)にジャーナリストの相馬勝氏が今後の日本とモンゴルの関係についてインタビューを行った。
――モンゴルの資源開発について、日本に期待することは?
「我が国は日本が持っている環境に優しい鉱山・インフラ開発技術を導入・吸収し、ともに働くことを強く望んでいる。日本の最先端技術とモンゴルの豊かな資源を合わせて、互恵的なビジネスに立脚して発展させることを望む」
―― 秋に訪日されると聞きました。
「日本との交流・協力を拡大・発展させることは我が国の外交政策の最優先課題のひとつ。経済、貿易、投資の各分野で具体的な協力関係の強化を望む。我が国が提案している自由貿易協定(FTA)を日本が受け入れてくれることを希望する」
このインタビューを終え、相馬氏は日・モ関係の今後をこう指摘する。「日本がモンゴルとの協力関係を一層発展させることは、北朝鮮や中国への『外交カード』を保持することに通じる。また、『レアメタルを制する者は世界を制する』とも言われることからしても、モンゴルは日本にとって、経済的にも安全保障上にも極めて重要なことは論を俟たない。『モンゴル』というアジアの要衝を見逃してはならないのである」
※SAPIO 2010年10月13・20日号