やっぱり男は戦争映画が好きなのだ。各界の映画通30人に忘れられない名作・大作・傑作を選んでもらい、ランキング化した。洋画部門の3位に輝いたのは『トラ・トラ・トラ!』。小池百合子氏(元防衛相、衆議院議員)に解説してもらった。
【あらすじ】
経済封鎖に窮した日本では、軍部主導でアメリカ攻撃が討議されていた。が、駐米大使は開戦を回避すべく交渉を続けた。一方、日本の暗号を解読したアメリカ将校は、奇襲攻撃を警告していた。そんな中、真珠湾攻撃が決行された。
【小池氏による解説】
「戦争映画の名作。30年ぶりにあらためて見てみようと、DVDのレンタルを事務所の若いスタッフに指示をしたところ、『タイガー・ウッズの映画ですか?』。題名の『トラ・トラ・トラ!』は空母赤城から発せられた真珠湾奇襲攻撃の成功を伝えた暗号である」
「太平洋戦争の火ぶたを切ることになった真珠湾奇襲攻撃に至るまでを日米双方の視点で再現した人間ドラマ。ワシントンの日本大使館でポツポツとタイプを打つ館員の様子や、暗号解読を巡る判断の差など、興味深い。山本五十六中将役の山村聰や、ちょび髭の近衛文麿首相役の千田是也らが好演している」
「後半、交戦シーンとなるが、CGに頼らない画面作りも迫力がある。あらためて国家安全保障会議創設の必要性を感じる。文字通り、国家の安全保障を確保するため、防衛、外交、エネルギーなどを総合的に分析し、あるべき戦略を確立するための組織だ。日本を守る責任が欠如した現政権には無理な話だが」
※週刊ポスト2010年10月8日号