国際情報

安倍晋三氏 保身上手な金総書記は北朝鮮を暴走させぬと語る

政権交代後、進展が見られない拉致問題。これまでも北朝鮮は6か国協議の参加国を翻弄してきた。彼らとの交渉に何が必要なのか。長年、この問題に最前線で関わってきた安倍晋三・元首相に聞いた。以下は、安倍氏の提言である。

******************************
対北朝鮮の外交方針の基本は、圧力に軸足を置いた「対話と圧力」だ。対話することに重点を置くと、「会ってあげるから何かよこせ」となる。対話することに条件を提示するのが北朝鮮の交渉術である。

2002年1月のブッシュ大統領による一般教書演説でイラク、イランと並んで「悪の枢軸」と称されたことに北朝鮮は震え上がり、小泉訪朝を受け入れた。北朝鮮を動かすには圧力しかないのである。

しかし、「経済制裁をすると北朝鮮は暴発する」と日本のメディアや学者は盛んに喧伝する。これは北朝鮮の情報工作がもたらした真っ赤な嘘だ。

私は自民党幹事長時代に法律を整備して北朝鮮に経済制裁を加えた。「そんなことをしたらミサイルが飛んでくる」と危惧する学者も多かったが、法律を国会に出すと彼らは直ちに二度目の小泉訪朝を受け入れた。

2002年の小泉訪朝に同行して金総書記と面会した時、頭は良く、合理的判断のできる人物だと思った。金総書記はGPSによる追跡を恐れて側近に携帯電話を持たせず、アメリカがイラクを攻撃したのちは身を案じて50日間姿をくらませる。保身のために細心の注意を払う人物なのである。そんな指導者がわが身の破滅を招くような暴発などするはずがない。

※SAPIO2010年10月13・20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
会見中、涙を拭う尼僧の叡敦(えいちょう)氏
【天台宗僧侶の性加害告発】フジテレビと同じ構造の問題ながら解決へ前進しない理由とは 被害女性への聞き取りも第三者の検証もなく、加害住職の「僧籍剥奪せず」を判断
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
フジテレビが今やるべきは、新番組『怒っていいとも!』を作ることではないか
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
ゴールデンタイムでの地上波冠番組がスタートするSixTONES
ゴールデンタイムで冠番組スタートのSixTONES メンバー個々のキャラが確立、あらゆるジャンルで高評価…「国民的グループ」へと開花する春
女性セブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
生活を“ふつう”に送りたいだけなのに(写真/イメージマート)
【パニックで頬を何度も殴り…】発達障害の女子高生に「生徒や教員の安心が確保できない」と自主退学を勧告、《合理的配慮》の限界とは
NEWSポストセブン
5人での再始動にファンからは歓喜の声が上がった
《RIP SLYMEが5人で再始動》“雪解け”匂わすツーショット写真と、ファンを熱狂させた“フライング投稿”「ボタンのかけ違いがあった事に気付かされました」
NEWSポストセブン
中居正広の私服姿(2020年)
《白髪姿の中居正広氏》性暴力認定の直前に訪問していた一級建築士事務所が請け負う「オフィスビル内装設計」の引退後
NEWSポストセブン
これまで以上にすぐ球場を出るようになったという大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平、“パパになる準備”は抜かりなし 産休制度を活用し真美子夫人の出産に立ち会いへ セレブ産院の育児講習会でおむつ替えや沐浴を猛特訓か
女性セブン
ネズミ混入トラブルを受けて24時間営業を取りやめに
《ゴキブリ・ネズミ問題で休業中》「すき家」24時間営業取りやめ 現役クルーが証言していた「こんなに汚かったのか」驚きの声
NEWSポストセブン