北朝鮮では朝鮮労働党の創建65周年に合わせ、10月10日に軍事パレードを予定している。注目されるのは、先の代表者会で党中央委員と軍事委副委員長に就任し、金正日の後継者とされる三男・金正恩の動向だ。
この正恩だが、後継に据えるための箔付けは、非公式には既に始まっていたのだ。韓国国家情報院筋がいう。
「正恩の生年月日は1983年1月8日とされてきたが、最近になって1982年生まれであるという説も流れ始めた。これは、2012年に、祖父・金日成の生誕100周年があるので、その時にちょうど30歳を迎えるように“調整”していると思われます」
また、正恩の生みの親は高英姫(故人)とされてきたが、国防委員会課長の肩書きを持つ金玉であるとも囁かれており、「生誕に関する情報を詐称することで、最高権力者にふさわしい経歴を作り出そうとしている」(同前)のだという。
この“箔付け”だが、関西大学教授・李英和氏は語る「今後、さらなる箔付け、神格化が図られていくと思われます。例えば、正恩の指導力を国民に知らしめるため、近々、3回目の核実験を行なう可能性さえあると考えます」。
経歴詐称なら笑い話で済むが、「将軍様」の世襲のために支払われる対価は、あまりにも大きい。
※週刊ポスト2010年10月15日号