ハーバード大学で、身近な例を出して正義とは何かを教える、政治学者のマイケル・サンデル教授(57)。自著『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房)が40万部突破のベストセラーとなっている。そんな彼の講義では、「マイケル・ジョーダンの稼いだ金を、貧困層に再分配するのは公正か?」ということもテーマになった。
マイケル・ジョーダンは97-98年のシカゴ・ブルズ最後のシーズンに3100万ドル(約26億円)の収入を得た。これに30%の課税をし、貧困層に富の再分配をするのは公正か?
この問いに対し、受講者からはこんな考えが出て、意見が積極的にぶつかりあい、「正義」について認識が深まった。
「富める者の金を貧しい者に再分配するのは“盗み”である」
「バスケットボールはチーム競技であり、ジョーダンは協力してくれた人に借りがあるから公正だ」
「ジョーダンにバスケットボールの才能があるのは彼の手柄ではなく、運がいいからだ。だから、その才能を生かして稼いだ金をすべて自分のものにする権利はない」
皆さんはこのテーマ、どう考えるだろうか?
※女性セブン2010年10月14日号より