国内

大前研一氏とユニクロ・柳井正会長が日本に対し3つの提言

大前氏と柳井氏大いに語る

 大前研一氏と日本を代表する企業経営者・柳井正ファーストリテイリング会長兼社長が本音で語り尽くした話題の対談集『この国を出よ』(小学館刊)。この最新刊の中から、刮目すべき2人の発言を、いち早く紹介する。

 * * *
【今が最後の分岐点 大前(第1章 絶望的状況なのに能天気な日本人)】
 今の日本は「ミッドウェー後」とそっくりです。冷静に考えれば負けるとわかっているのに、それを認めようとせず、「まだ大丈夫」「最終的には神風が吹いて勝てるだろう」と思い込んでいる。(中略)今が最後の分岐点であり、剣が峰だという危機感で、勇気ある一歩を踏み出さなければなりません。

【政治家の資質 柳井(第2章 誰がこの国をダメにしたのか?)】
 菅氏だけの問題ではありません。この国をどうしたいか、信念とそれを実行に移す力を持っていない政治家が多過ぎます。選挙の風向き次第で右顧左眄して公約が腰砕けになるのであれば、それは「政治家」ではなく、ただの「選挙屋」ではないでしょうか。

【若手起業家たちの限界 柳井(第3章 変化を嫌う若者だらけの国を「日本病」と呼ぶ)】
 僕は、20~30代のベンチャー企業のトップが参加するパーティーやイベントに顔を出す機会がありますが、彼らと話していると「名刺交換だけを目的に来ているのではないか?」と感じることが少なくありません。企業のビジョンや信念が伝わってこなくて、「お金儲け」のことばかり考えているように思うのです。「稼ぐ」ことと「儲ける」ことは、違います。(中略)
 IPO(株式公開)で数十億円の資産を手にしたり、売上高が数百億円レベルになると、それだけですっかり大企業の経営者になったと錯覚してしまう。数十億円の資産があれば、もうそれ以上は人生で使いようがありませんから、志がなければ、死にものぐるいで経営を続けようとは思わないでしょう。

※SAPIO2010年10月13・20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン