田丸美寿々(58)も例外ではなかった―そんな嘆息と“やっぱり”という声がTBS報道局に広がった。
16年間務めた『報道特集』のメインキャスターの座を9月25日をもって降板した田丸は、その理由を「母親の介護にもっと時間を使いたい」と説明し、「総理はコロコロ替わったが、私はずっと一人で番組を支えた」と、最後まで胸を張った。
しかし、降板の背景に、各局で進む「キャスター狩り」の影響がないといえば嘘になるだろう。TBS関係者はこう語る。
「田丸さんのギャラは1回50万円、年間約2500万円といわれていて、キャリアや知名度からすれば安いほう。4月にテレ朝『スーパーJチャンネル』を降板した小宮悦子に比べても、ずっと“お買い得”だった。スタッフの信頼も厚い。家庭の事情もあったようだが、あの人まで“リストラ”されるのかと、暗い気持ちになった」
報道番組の本格的な女性キャスターとしては、「第一世代」の櫻井よしこを別格とすれば、田丸はトップランナー。知識、取材力、そして元同僚が言うように「英語は女性キャスターの必須科目だが、田丸が断トツの実力」と、その評価は高かった。
もっとも、その元同僚はこういう観測も語る。
「あれだけの実力者。すでに接触を始めている局もあるようだ。近いうちに復活するでしょう」
※週刊ポスト2010年10月15日号