【書評】『アリアドネの弾丸』(海堂尊・著/宝島社/1500円)
医師の田口公平は、東城大学医学部付属病院に新設されるAi(死後画像診断)センターのセンター長に任命された。その矢先に院内で銃殺事件が発生、犯人とされた病院長の高階が警察に拘束されてしまう。〈俺は振り返る。気がつくと、暗い廊下の静寂が口を開けて俺たちを呑み込もうとしていた〉。事件の背後には、Aiの導入を快く思わない警察権力の陰謀が…。田口は厚生労働省のはぐれ技官・白鳥圭輔とともに、真相究明に立ち上がる。
※週刊ポスト2010年10月15日号