日本の学校行政には「おかしな規制」が数多く存在する。学校の階段には必ず踊り場が必要となるなどは、その好例だ。では、なぜそんな規制が存在するのか。学校行政の考え方の根幹を、かつて、安倍、福田内閣で渡辺喜美・行政改革担当大臣の補佐官を務めた、「政策工房」社長の原英史氏が解説する。
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ラーメン屋は老舗も新規参入店も味を競い合う。それで食べ歩き愛好家は増えている。だが、もしも、「○○市△△地域の住民は××屋で食べなければならない」という規制、いわば「ラーメン指定店制度」が存在したら、どうだろう。
各店舗は、地域のお客さんが確実に来るのでつぶれない。その代わり、新たな工夫や改善はしない。新規参入もない。結局、貧弱なメニューと味になっていくはずだ。そんなラーメン規制が仮に何十年も続いたら、美味しいラーメン屋など存在しなくなるだろう。
だが、「そういう規制があった方が美味しいラーメンを提供できる」としているのが、日本の学校行政の考え方なのだ。
※SAPIO2010年10月13・20日号