今や官邸を仕切る仙谷由人・官房長官だが、身内からも厳しい声が出ている。仙谷氏が会長を務める凌雲会(前原グループ)に所属し、凌雲会の中心メンバーである前幹事長の枝野幸男氏は、10月2日に地元・さいたま市で開かれた講演で、「中国は法律があってないような国」「悪しき隣人」と中国批判をぶち上げ、返す刀で「仙谷長官は初動対応を間違えたことを認めている」と官邸の失敗を指摘した。
「反中国」でもない枝野氏がこのような発言に至ったのは、よほど何かに不満が募っていたのだろう。とにかく、この発言に仙谷氏が激怒したのはいうまでもない。
10月4日の官房長官会見では、「無用な軋轢を生むべきではない」と述べるにとどまったが、親しい政界関係者には「幹事長をクビになった反省さえできないようでは……」と冷たい表情で漏らしていたという。
週刊ポストでは、凌雲会のホープだった細野豪志氏の脱会を報じたが、菅政権の主力部隊はガラガラと音を立てて崩れつつある。
※週刊ポスト2010年10月22日号