近親者が亡くなったとき、葬儀社からいきなり「葬儀費用100万円」といった大雑把な見積もりを見せられるケースが多い。ところがこの数字をそのまま鵜呑みにしてはいけない。
「葬儀の総費用は、祭壇や棺、人件費などの“葬儀費用”と式場利用代や通夜料理、返礼品などの“実費費用”、読経や戒名など僧侶への“お布施”の3つからなります。葬儀社のいう見積額は葬儀費用だけの場合があります」(葬儀相談員・市川愛氏)
こんなトラブルを招かないためには、生前から葬儀について考えておくことだ。近年では、HPに見積もりを明記し、“明朗会計”を打ち出す格安葬儀社も登場。
かつては「密葬」と呼ばれた「家族葬」、通夜をしない「一日葬」が増加。葬儀をせずに直接火葬する「直葬」も、首都圏では実に3割にのぼる。一方では「自分らしい葬式をしたい」と、独自のスタイルで行なう人も増えている。
選択肢が広がったともいえる葬儀のあり方。家族をどう見送るか、自分はどんな形で見送られたいか。今から準備しておく必要がある。
※週刊ポスト2010年10月22日号