【書評】『孤舟』(渡辺淳一著/集英社/1680円)装丁/三村 淳
満60歳で大手広告代理店を定年退職。第二の人生を楽しむつもりが1年半後の今、現実は違っていた。
<なによりも威一郎が面食らったのは、毎朝起きても、やることがないことである>。新しいこともプライドが邪魔して上手くいかず、妻の行動につい干渉してしまい夫婦関係は悪化、子供にも憐れまれる。
その後、家族に出ていかれひとり残った威一郎は、デートクラブを通じ若い独身女性と出会うが…。リアルな場面で綴る日本の社会問題!
※週刊ポスト2010年10月22日号