このところ、震度4以上の地震が頻発している。被害がなければ大きく報道されることもないため見過ごされがちだが、マグニチュード4クラスの地震は日本のあちこちで毎日のように起きている。もともと地震が多い地域である福島や宮城などでは、最近の地震をことさらに騒ぎ立てることはないという。
しかし、名古屋大学大学院環境学研究科教授の福和伸夫さんはこう話す。
「兵庫県南部地震(阪神大震災)以降、ここ10年で大きな地震が頻発しています。戦後40年くらいはあまり発生していないことと比較すると、注意を要する状況です。
東京より西では、南海トラフで近いうちにマグニチュード8を超える巨大地震が起きるといわれており、西日本のあちこちでマグニチュード7クラスの地震が起きています。日本中どこで起きてもおかしくはありません」
政府の特別機関である地震調査研究推進本部が発表している「30年以内に地震が起こる可能性」は、各地で指摘されている。
「東海地震、東南海地震、南海地震は今世紀前半にはほぼ確実にくる。首都圏直下地震もどこかで高い確率で来るというのが国の評価です。 それとは別に、活断層に伴う内陸直下型の地震もあちこちで起きると考えられています。内陸直下の地震はどこでいつ起きるかを直前に予知することは困難ですから、自ら備えるしかありません」(福和さん)
ほぼ確実に起こることが予想されている大地震。緊急地震速報の利用法も含めて、いまからしっかりと対策を立てておきたい。
※女性セブン2010年10月28日号