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外科医、産婦人科医の減少は「訴訟リスク」が理由と舛添議員

 出産を診る「産科」、それ以外に関する「婦人科」、両方診る「産婦人科」の3科合計の医師数は、10年前と比べ、約5%減。外科の医師不足も深刻だ。厚生労働省の調査では、外科を主たる診療科とする医師は2008年に12年前から約1割減った。

 安倍、福田安倍、福田、麻生の3内閣で2年以上にわたって厚生労働大臣を務めた舛添要一・参議院議員は、産婦人科医や外科医不足の裏には、激務に加えて「訴訟リスク」があるという。

「04年に福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性が大量出血で死亡し、遺族が担当した医師を訴えました。最終的に医師は無罪になりましたが、“これだけハードに働いたうえ、すぐ訴えられるなら産婦人科医などやってられない”と敬遠されるようになりました。これ以降、外科や小児科など危険を伴う診療科の医師も減っていったのです」

 担い手がいなくなったことで、現場に残された医師の仕事がさらに増えるという悪循環が生じる。そのため、過酷な勤務がさらに過酷になるという負のスパイラルに陥り、医療事故の温床にもなっている。一方で、勤務状況が比較的楽で訴訟リスクの少ない診療科が好まれるようになった。

「勤務が9-17時で終わり、生命にかかわる危険を伴う処置の必要のない科が専門として選ばれる傾向が強まりました」(舛添議員)

※女性セブン2010年10月28日号

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