プログラムに従った自動売買によって、FX(外国為替証拠金取引)の新規注文から損切り、利益確定まで行なう投資法で、最近注目を集めているのが、「システムトレード」だ。その時々の感情に左右されることがなく、「収益機会が安定する」という魅力がある反面、デメリットもあるという。FXカリスマトレーダー・しろふくろう氏が解説する――。
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(FXシステムトレードのデメリットは、)やはり、結果が出るのに時間がかかるということでしょうか。システムによって独自のロジックがありますから、目先の相場の動きだけで良いシステムか、悪いシステムかを判断することはできません。一定期間中の相場の波を経ることによって、初めて評価を下すことができます。なので、ちょっとだけ使ってみて儲からなかったからといって、別のものに乗り換えるのはよくありません。出来れば2か月程度は同一システムを回してみて、良いシステムかどうかを検証する必要があります。
あとは、一言で「システムトレード」といっても、いろいろな種類があります。その種類によってメリット、デメリットは変わってきます。具体的に、システムトレードの種類は3つあります。
第1のタイプはFX業者、または投資顧問会社などが配信する売買シグナルに基づいて投資家が直接、取引画面から手動で入力するもの。
第2のタイプは「MT4(メタトレーダー4)」などの自動売買機能を装備した取引プラットフォーム内で、自分が開発、あるいは有料で販売されている取引プログラムを走らせて自動売買するもの。
第3のタイプは「シストレステーション」(FXCMジャパン)や「トレードメッセンジャー」(サザインベストメント)のように、多くのシグナルプロバイダーを備えたプログラムから配信される取引シグナルを受信して自動で売買するものです。
このうち第1のタイプは、自分で売買注文を入力しなければなりませんから、常にパソコンの前にいる必要がありますし、第2のタイプはある程度専門的な知識が必要になります。そう考えると、初心者の方でも比較的簡単に使えるのは、第3のタイプということになるでしょう。これなら自動売買を始めるにあたって、専門的な知識は必要としませんから、一般的な投資家がシステムトレードに参入するうえでのハードルが、最も低いと考えられます。
※マネーポスト2010年11月号