今季最下位に沈んだ楽天の秋季キャンプが熱気を帯びている。佐藤義則・投手コーチの檄のもと、全員が先発投手の座を目指して猛烈な投げ込みをしているのだという。理由はもちろん、新監督に“内定”した星野仙一氏の指令だ。楽天球団関係者がいう。
「星野阪神時代に投手コーチを務めていた佐藤さんに、“先発投手を整備しておけ”という指示が下りているんです。『安定した先発は4人必要』というのが星野さんの持論。岩隈久志のメジャー行きが確実で、計算できるのはマー君(田中将大)だけ。星野さんは心配で仕方ないのでしょう」
とはいえ、楽天選手の“大化け”に期待するのは楽観的すぎる。2003年、メジャー帰りの伊良部秀輝、FA宣言した下柳剛を口説き落として阪神を優勝させた成功体験のある星野氏は、今回も同様の補強に動く可能性が高い。
「今季、ブレーブスで黒星続きだった川上憲伸は中日時代の教え子で明大の後輩。星野さんはすでに水面下で接触を始めている。あと1年契約が残っているが、昨年、契約期間中の城島健司を獲得した例もあるから、自信を持っている」(在阪スポーツ紙デスク)
川上以外には、阪神で燻っている福原忍、安藤優也らを楽天に連れてくるという憶測も流れているが、さすがに「そこまでは阪神が許さないだろう」(同前)という見方がもっぱらだ。
※週刊ポスト2010年10月29日号