「検察審査会の起訴相当の議決を受け、東京地検が横峯良郎・参院議員の聴取をしていることがわかりました」―この10月6日のニュースを聞けば、誰しも「不起訴になったさくらパパが、再び取り調べを受けた」と解釈するだろう。
飲食店の経営権を巡って共同経営者で従兄弟同士のAとBが争う中で、Bが横峯氏に紹介されたプロレスラーを使い、Aが管理する売上金約30万円を恐喝した―というのが事件のあらまし。Bが不起訴となり、不服としたAが検審に申し立てを行なった。つまり、横峯氏は事件関係者とはいえ被疑者ではない。
だが、東京第四検察審査会の議決は、<もう一人、被疑者と言える人物の存在が認められる。国会議員のXである><Xが介入しなければおそらく今回の事件は発生しなかった>と記した上で、<国民の信頼や期待を裏切ることのないよう厳正公正に捜査を行っていただきたい>と結んでいるのだ。検審は自らを世の中の悪を告発する“市民検察官”だと勘違いしているのではないか。
マスコミの不見識もひどいものである。申立人Aの代理人弁護士でさえ、「横峯さんが絡んでいるかどうかはどうでもいい話」と感想を述べている。横峯氏は呆れ顔で語った。
「こんな形で犯罪者扱いされるのはたまらないが、報道被害をなくすために聴取に応じました。自分が立派な議員だとはいいません。しかし、“何となく悪そうな人”なら牢屋に入れてしまえ、という検審は恐ろしい。それにしても、同じような“言いがかり議決”でも小沢さんは4億円で私は30万円ですか……。自分が情けなくなりますよ」
※週刊ポスト2010年10月29日号