東京・巣鴨が“おばあちゃんの原宿”なら、東京・大森のダイシン百貨店は“シニアのマルキュー(渋谷109)”だという。
店内にはいると、ポマード、粉歯磨きなど、昔あった、あったという懐かしい商品が並ぶ。そして客の顔や好みもしっかり覚えている“カリスマ店員たち”。若者が渋谷109へ行けば何かあると集まるように、地域の人々が本当に求めるものがこの店にはある。
ダイシンは1階が食料品、2階は衣料品、3階は生活用品、4階は家電、5階は家具や書籍、そして最上階の6階は大食堂になっている。 特徴的なのは品揃えの豊富さだ。ネズミ取りから蚊取り線香、洗濯板まで、レトロな商品が揃っていて、総数なんと18万種類。
例えば、歯ブラシだけで300種類もあり、大正時代からあるヤニ取り用歯磨き粉など、他の店ではめったに手にはいらない商品も。
「夫が60年以上も使ってる“柳屋のポマード”も、買えるのはこの店だけ」 と73才の主婦。
洋服も同じ柄のものは1点しか置いていない。「地元のお客様が多いので、他のお客様と服がかぶると嫌がられる。ですから常に1点ずつ仕入れることにしています」(衣料品売り場の店員)
値段はスーパーに比べて特別に安いわけではないが、「ここにしかないもの」にひかれて、ついつい来てしまう。ちなみに大食堂の看板メニューは500円のナポリタン。懐かしい味に、必ず食べて帰る人も多いとか。
※女性セブン2010年10月28日号