日本の領土でありながら韓国が不法占拠する竹島。その竹島に上陸したカメラマンの山本皓一氏が、2006年の上陸体験を語る。
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竹島は決して岩礁などではない、想像より遙かに大きな島だ―それが初めて目にしたときの実感だった。
私は06年5月、韓国・鬱陵島(うつりょうとう)経由で、韓国人観光客とともに竹島へ上陸した。日本政府が「韓国経由で渡航すれば韓国領土と認めることになる」というので、それまで日本のテレビや新聞は、韓国メディアの映像や写真を使ってきた。しかし、それらは「独島(竹島の韓国名)は韓国領」との強いメッセージが込められたもの。私は、日本人が見た「日本領・竹島」を伝えたいと考えたのだ。
2004年に上陸を試みたときには、乗船直前に「日本人は乗れません」と海洋警察官に止められた。06年には上陸に成功したが、「日本の国旗は持っていないでしょうね」と確認され、上陸後も常に4-5人から遠巻きに監視される状態だった。
緑生い茂る絶壁の山肌は、まるで枯山水の庭園のようだが、山頂に目を向けると、高射砲や銃をかざす武装警察官が見える。船で届けられた生活物資はロープウェイで山頂へ運ばれていた。
日本人が残した痕跡を探したが、何も見つけられなかった。許された上陸時間は、わずか20分だった。
※週刊ポスト2010年10月29日号