経済アナリストの森永卓郎氏は、現在の円高を「円バブル」と見ており、「円を現金で持っている人は、否応なくバブルにのってしまっている」という。では、バブルで大きく膨らんだ「円資産」を、どこで運用すればよいのか? 森永氏は、バブルが崩壊する前に、外貨、日本株、不動産へと資産をシフトさせるのが得策だと分析している。
【外貨】
現在は、円高・外貨安で進んでいるが、「円バブル」が弾けた瞬間、一気に外貨高に進んでいく可能性がある。もちろん、そのタイミングの見極めは難しいが、今から外貨のウェイトを高めておくのは、よい選択と考えられる。外貨預金感覚で、レバレッジ1倍でFXを利用するのもよい。
【日本株】
自動車、電機、精密機械など、日本の輸出関連株は、円高の進行に伴う業績悪化懸念で大きく売り込まれた。とはいえ、為替と同様、日本株も異常な割安水準のまま放置され続けることは考えにくい。円安になれば、これら輸出関連株がまっさきに反転・高騰する可能性がある。
【不動産】
リーマン・ショック以降、日本の不動産価格は大きく下落した。しかし、都心の好立地ではすでに不動産価格が底打ちしているところもあり、「円バブル」で価値の膨らんだ日本円の運用先としては非常に注目だ。注目はやはり都心の優良物件で、資金の少ない人はリート(不動産投資信託)を使うのがよいだろう。
※マネーポスト2010年11月号