行ったことのない竹島に本籍を置く人々がいる。2005年の政府答弁によれば、本籍地・竹島の日本人は26人。濱口和久・前栃木市首席政策監も、その一人だ。
「私は防衛大学卒ということもあって、以前から領土問題に関心を持っていました。直接のきっかけは、2004年2月、ある人が竹島の写真付き切手を作成しようと郵政公社に申し込んだところ、国際親善に適さないという理由で発行が認められなかったこと。日本人として何かできないだろうかと考えたとき、作家の上坂冬子さん(故人)が北方領土に本籍を置いていたことを思い出し、同年3月に妻と2人の子供とともに本籍を竹島に移しました」
日本警備防犯協会常務理事の白石茂樹氏は、テレビで韓国の実効支配を知り、1996年、竹島へ本籍を移した。
「講演などでプロフィールを開示すると、竹島に本籍があるとわかり、ネットで『変なヤツが紛れ込んでいる』などと誹謗中傷されることもあります」
それでも、白石氏は動じない。「領土問題を何とかしなくてはいけないという想いの現われが、竹島へ本籍を移すことでしたから」
※週刊ポスト2010年10月29日号