かつて、ドラマ『冬のソナタ』のヨン様ブームの頃、韓流といえば、オバサマ族の独壇場だった。それが、今は若手の韓流タレントも続々と来日し、老若男女を問わず、国産アイドル以上に注目されている。
家庭にも波及した韓流を巡るトラブルについて、漫談家の綾小路きみまろに、メールや手紙で続々と寄せられている。証券会社勤務のご主人(51)の奥様(49)は6月に自殺したパク・ヨンハの大ファンだったという。
「私、やっぱりジッとしてられない! 葬儀に行ってくるわ!」、女房のその言葉を聞いて、ア然としてしまいました。
この春、僕たち夫婦のことを可愛がってくれた、北海道に住む叔父が亡くなったんです。「東京からの交通費も大変だし、葬式にはアナタひとりで行ってね」「それはマズイだろ。オレたち夫婦は、ずいぶん叔父さんの世話になったんだから」「恩義より節約! 私は『体調を崩して参列できない』ってことにしといて」。
そんなやりとりがあったのに、今度は高い飛行機代を払って韓国に行くというのです。「交通費? 大丈夫! 私、それくらいのヘソクリはしてるから」。「そんな金があるなら叔父さんのときに使えよ。なんで、赤の他人の葬式に使うんだよ!」。
途端に女房は両目を吊り上げ、「赤の他人? ヨンハ様と私たちファンは『家族』なの! その言葉、許せない! 天国のヨンハ様に謝りなさい!」。
仕方ないです。家庭平和のために手を合わせましたよ。女房ですか? 2泊3日で韓国に行き、8月の叔父さんの新盆に「行かないよね?」と聞くと、「うん!」。あのさァ、「『家族』なの!」はいいけど、もっと『親族』も、大切にしてくれよな。
●きみまろの一言
ご主人、「韓国でなく北海道に行くべきだ!」と、奥様に「勧告」すべきかも。
※週刊ポスト2010年10月29日号