1990年の開始から20年、ついに最後となる第10シリーズの放送が始まった国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)。
女の自立だけではない。すでに20年も前から、現在も共通の家族の悩みである「主婦の再就職」「お受験」「跡継ぎ問題」「空の巣症候群」「老々介護」など、社会問題、世相を巧みに取り入れて国民的な番組に成長していった。
そのビビッド感を出すために脚本家の橋田壽賀子さんは新聞の投書欄を読み、NHK『クローズアップ現代』を欠かさず見るという。
「私は、このドラマは時代が書かせてくれたと思っているのです。スタートのときは、まだバブルの名残があって、話も明るかった。ところが不景気になって、中高年のサラリーマンのリストラ、若者のニートや解雇。就活がうまくいかないとか戦後最大の不況に足を引っ張られ、聞こえてくるのは溜息ばかり。とにかく視聴者のかたと、同じ目線に立つということを心がけてここまできました」(橋田さん)
※女性セブン2010年11月4日号