選挙があるたびに話題となるのが「羽柴秀吉」こと羽柴グループ社主・三上誠三氏(61)だろう。青森県在住の同氏は1949年生まれ。豊臣秀吉の生まれ変わりを自称して「羽柴秀吉」を名乗る。
東京都知事選など、全国の選挙に出馬すること15回(すべて落選)。だが、三上はただの“成金オヤジ”ではない。
中学卒業後に出稼ぎで貯めた金をはたいて、1970年に1台のダンプを購入して運送会社をつくった。青函トンネル建設の追い風が吹き、年商12億円に急成長。27歳にして青森県の高額納税者番付に載った。
だが、1977年に地元・金木町長選の落選後に選挙違反で逮捕され、余波で会社は倒産。その後、建設業に再挑戦したがまたも潰した。それでも自己破産はしなかった。「自分の不始末で多くの取引先に迷惑を掛けた。自分だけが逃げたら再起なんてできない」(三上氏)
そして1990~2000年代に旅館経営などで成功。現在、総資産は300億円超という。これが城を模した自宅(小田川城)や選挙の供託金の原資となっている。毀誉褒貶相半ばする人物だが、選挙でも経営でも「打たれ強さ」は超一流だ。
※週刊ポスト2010年11月5日号