小沢一郎・元民主党幹事長の「政治とカネ」の問題は、検察審査会による強制起訴を受けて法廷闘争へと突入する。しかし、「小沢氏以外の民主党」にもこの問題について小沢氏を支持する政治家がいる。「反小沢」の急先鋒と目される仙谷由人・官房長官こそ、その代表格ではないか。小沢氏の金脈を一貫して追及してきたジャーナリスト・松田賢弥氏が指摘する。
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仙谷は「反小沢」の急先鋒として祭り上げられている。しかし、本当にそうなのか。メディアの作った“虚像”が独り歩きしているのではないかと私は疑念を抱いている。
2009年3月、当時民主党代表だった小沢の公設第一秘書が、政治資金規正法違反で逮捕される、いわゆる西松事件が噴出した際のことだ。
弁護士でもある仙谷は小沢の自発的な党代表辞任を促しながらも、事件そのものについては小沢を擁護するような発言をしていた。テレビでは「検察が無理筋を事件として立てようとしている形跡がある。うまく成立させないと、検察の大失態になる」(テレビ朝日、3月15日)、雑誌でも「私の力でなんとかなるならば、事件弁護人として小沢代表を助けに行きたいという気持ちもあるくらいです」(『AERA』・4月13日号)といった具合だ。
そのスタンスは、「事件そのものは問題ないと考えているが、世間を騒がせているのだから代表は辞任したほうがいい」という趣旨だったように見える。
※SAPIO2010年11月10日号