有名レストランのシェフたちがこぞって指名買いするという『中沢サワークリーム』<中沢フーズ>。国内トップシェアを誇る、発売50年のロングセラー商品だが、発売当初はまったく売れなかった。
「明治元年、中澤牛乳(現・中沢フーズ)創業者の中澤惣次郎は、“これからは洋食の時代がくる”と、現在のJR新橋駅(東京)一帯に牧場を作り、牛乳の製造を始めました」(中沢フーズの市場開発室・早川幸昌さん)。
その牧場から洋食に必要な牛乳や生クリームが生まれ、飛躍的な成長を遂げた。昭和35年、新たな試みとして手がけたのが、日本初となるサワークリームだ。
「ヒントは、ソビエト(現ロシア)大使館で伝統料理、ボルシチに添えられていた“スメタナ”という酸味のあるクリーム。その味を作りたい、というのが原点。発売当初は斬新すぎて、なかなか受け入れられませんでした。ところが、海外で修行を積んだ料理人たちから“サワークリームを使うと本場の味が出せる!”と高く評価され、プロの口コミで広まりました」(早川さん)
発売から50年たち、いまではチーズケーキ作りに、野菜のディップにと、一般家庭でも楽しめるクリームとなった。
※女性セブン2010年11月4日号