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牛丼、ハンバーガー「円高で安くならないのか?」大調査

 15年ぶりの円高。輸出企業が苦境なのはわかるが、輸入企業はさぞかし恩恵受けているのではないか。2009年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は約40%。多くを輸入に頼るのだから、円高メリットを受ける企業として外食、食品産業は外せない。

 となれば、熾烈な価格競争を繰り広げる牛丼チェーンももっと安くなるだろうか。「すき家」を展開する業界1位のゼンショーグループは、「円高関連の取材は受けません」(広報室)というものの、「すき家の牛丼は豪州産牛肉を使っている。この2年、オーストラリアドルに対しては円安なので、為替はデメリットの方が大きい」(業界関係者)という。

 豪州産と米国産を併用する業界3位の松屋フーズは、「食材を円建てで購入しているので、円高メリットはほとんどない」(広報IRグループ)という。

 残るは、米国産にこだわる2位の吉野家だが、吉野家ホールディング広報担当はこう語る。「円高でも円安でも、常に購入価格は変わらないように調整された価格で契約しているので、為替変動の影響は受けません」
 
 どうやら牛丼業界の値下げは難しそう。でも、マクドナルドは商品原材料の約30%が輸入なので期待大だ。日本マクドナルドホールディングスのマーケティングPR部ではこう話す。

「原材料輸入は、1~3年先まで為替予約しているため、すぐには円高メリットが出ず、今のところ値引きは考えていない」

 同社のいう為替予約とは、6か月後、1年後、3年後など一定期間後に、あらかじめ決められた為替レートで金融機関と外貨の売買取引を行なうこと。これによって、企業は輸入品の仕入れ値を固定することができ、為替相場の変動リスクを回避できる。もちろん、仕入れ値が変わらないので、期間中は商品価格もほぼ一定に保たれることになる。

※週刊ポスト2010年11月5日号

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