20代では女性の所得が同年代の男性を上回ったというニュースが最近報じられたが、このほか、女性比率の高い企業は売上も伸びるという研究結果まででている。
女性は仕事に対する姿勢も成績も優秀で、しかも起用すると業績が伸びる―それならば女性を採用したいと考えるのは当然だ。だが現実の就職率はまだまだ男性の方が上だというギャップが現われる。
文科省と厚労省による『大学等卒業予定者の就職内定状況調査』を見ると、10年5月の内々定獲得率は、文系で男子41%、女子36%、理系で男子49%、女子41%と男子が上回った。
この背景には、企業側が意図的に、男子学生を優先して採用している現状がある。 大手商社人事部担当者はこう話す。
「筆記試験の結果だけで採用すると、男女比が3対7になる。女性の採用枠を狭めたり、面接を重視したり、いわば男にかなり都合のいい解釈をしながら、なんとか比率を逆に7対3にしています」
製造業採用担当もこう語る。
「面接を担当した学生の中から5人を残すよういわれたので、どの学生を残すか考えると、全員女になってしまった。仕方ないからそのまま人事に伝えると、“悪いが2名は男にしてくれ”と頼まれた」
※週刊ポスト2010年11月5日号