このところの円高で、パソコン企業はどれほど恩恵を受けているのか。海外で部品を組み立てて輸入する工業製品や、部品を輸入して日本で組み立てる製品の中でも、台湾のパソコンメーカーであるエイサーは今、2割以上の値引きを行なっている。
「円高メリットは、絶えず価格に還元しています。2月初旬に発表した最新パソコンは、当初はメーカー希望小売価格8万9800円でしたが、現在は6万9800円です」(日本エイサーのマーケティング部)
そこで、本誌がパソコンシェア世界トップのヒューレット・パッカード(HP)に値下げ交渉を行なったところ、
「他社が円高還元を理由に値下げをするのであれば、価格を引き下げる可能性はあります」(日本HP広報部)と前向きなお答え。
一方、富士通、NECなど日本の大手メーカーは総じて、部品の多くは輸入だが、国内で組み立てて輸出する分が不振のため、全体で赤字。口を揃えて「値引きは難しい」という。
※週刊ポスト2010年11月5日号