企業でもそうだが、「お友達」人事が好きな人は、“同類相憎む”傾向がある。 仙谷氏の「お友達」優遇ぶりは、つとに知られているが、仙谷氏と並ぶ「影の総理」といわれる菅首相夫人の伸子さんも負けていない。
最近、2人が火花を散らしたのが、元TBSキャスター・下村健一氏の「内閣スポークスマン」起用をめぐる対立だ。
下村氏は学生時代に菅氏の選挙ボランティアを務めて以来、家族ぐるみの付き合い。伸子さんが「何とか内閣に」と熱望していたとされるが、これに仙谷氏が反対した。
菅氏の側近はこう語る。
「『内閣スポークスマンはオレだ』と仙谷長官が怒ってしまった。一時は人事を潰しにかかり、伸子さんが“どうしてダメなの”とカンカンになった」
結局、下村氏は内閣審議官になることに決まったが、「どっちのお友達を優遇するか」とは、なんとも小さな“官邸分裂”である。
※週刊ポスト2010年11月5日号