冬場の暖房費はエアコンを使うのが安いのか、石油ファンヒーターを使うのが安いのか。ひとつの鍵を握るのは電気代、灯油代の動向だが、円高の影響で原油の輸入価格が下がり、今年の冬は電気代も灯油代も例年より低くなりそうだという。
とはいえ、その値下がりによって家計が受ける恩恵はひと月あたり数十円程度。これから長い冬を乗り切るには、光熱費の省エネ術が必須だと節約アドバイザーの丸山晴美さんは強調する。
「住んでいる地域や部屋により最適となる暖房器具が変わってきます。それぞれの特徴をしっかり見極めましょう」
最新の電気代、灯油代のデータをもとに、エアコンと石油ファンヒーターにかかるお金を分析、ベストな使い方を探った。
【エアコン】
かつては暖房器具のなかで、最もお金がかかるといわれていたエアコン。しかし、省エネ化が進み、15年前と比べて運転時に必要な電気量は約半分にまで減少。最新機種では100円の電気代で1部屋(6~9畳)を最大50時間暖めることができるという。
「エアコンはひとたび設定温度に達すれば、1時間2円で運転することができます。気密性の高いマンションや一戸建ての2階など、外に熱が逃げにくい部屋では最も光熱費を抑えられる暖房器具といえます」(丸山さん)
ただし、エアコンが省エネ運転できるのは、部屋の空気の熱を上手に利用できる環境にあることが条件。部屋を暖めてもすぐに冷気がはいってくる状態では省エネ運転のメリットを生かせず、電気代は1時間30~40円かかってしまう。
「利用の際は、断熱窓や厚手のカーテンなどで窓からの冷気を遮断することが大事。部屋をなるべく仕切って暖める場所を小さくするのもポイントです」(丸山さん)
【石油ファンヒーター】
一方、寒冷地や一戸建ての1階など、冷え込みやすい部屋で最も安上がりとなる暖房器具は石油ファンヒーターだ。
「外気温に電気代が左右されるエアコンに比べて、石油ファンヒーターは、外気温に灯油代が左右されません。氷点下以下になる地域では石油ファンヒーターがおすすめです」〈丸山さん〉
石油ファンヒーターでは、100円の灯油代で1部屋(6~9畳)を最大20時間暖めることができる。
「部屋が暖まってくると自動的にパワーセーブするので、1時間5円の省エネ運転をすることが可能です」
ちなみに外気温7度のときマンションの室内(6~9畳)、温度を20度に設定してエアコンを使用した場合、1日約9時間の使用で80円、1か月で2400円の光熱費となる。一方、石油ファンヒーターは1日約9時間の使用で130円(燃費を1時間あたり0.2lで計算)、1か月で3900円の光熱費となる。
※女性セブン2010年11月11日号