「15年ぶりの円高水準」が続いているが、FX(外国為替証拠金取引)で8億円を稼いだカリスマ主婦・池辺雪子氏は、チャート分析から長期的には円安トレンドへの転換が進みつつあると見ている。
それだけではない。チャート以外にも、中長期的に円安トレンドを強力に後押しする材料があるという。日本の消費税の税率アップの問題だ。財政再建の観点から、政治課題となっている消費税の増税が発表されれば、為替相場へ大きなインパクトを与えると指摘する。
「かつて、消費税が導入(3%)された1989年4月、そして税率が5%にアップされた1997年4月ともに、その後のドル/円相場は20円ほどの大幅な円安方向に動きました。もし、来年にでも消費税増税が発表されれば、前回までと同様、一気に円安に動くことも予想されます」
池辺氏は、こうした分析から中長期的な円安トレンドの到来を予測しているが、もしそうなるのであれば、FXで外貨をロング(買いから入る取引)する絶好のチャンスでもある。
「私自身、2008年のリーマン・ショック直後に割安水準で買った、トルコリラ、南アフリカランド、豪ドルといった高金利通貨は持ちっぱなしにしています。その結果、大きな利益が出ています。FXで勝つ一番のコツは、大きなトレンドが生まれる時、いかにその波に乗れるかどうかでしょう」
こうした池辺氏の投資に関する考え方は、昨今のFX業界を取り巻く環境から見ても、必須といえるかもしれない。というのも、今年8月からFXのレバレッジ規制がスタートしており(上限50倍)、来年の8月には上限が25倍にまで引き下げられるからだ。
「レバレッジ規制が強化されるにつれ、個人投資家がこれまで通りの利益を出そうとすれば、今まで以上の証拠金を用意するか、より効率的に取引することが必要となります。やはり、大きく利益を上げるには、大きな相場のトレンドを、いち早く捕まえるしかないのです。そういう意味で、これからの相場は大きなチャンスかもしれません」
当面は細かく利食いしてコツコツ利益を積み上げる、円安トレンドが発生したら高金利通貨を中心にして、ロングポジションを増やしていく──。これが円高時代を生き抜く池辺流FX投資術である。
※マネーポスト2010年11月号