10月28日のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズの1位指名を受けた早稲田大学の斎藤佑樹投手(22)。日本ハムといえば、球界のエース・ダルビッシュ有がいるチーム。ダルビッシュとの相性はいかがなものか?
斎藤自身、ストレートで押していくタイプではない。スライダー、カットボール、カーブ、ツーシーム、フォークなどを操りながらの投球術こそが信条。ピッチング・オタクぶりは6球団から1位指名を受けた同級生・大石達也(埼玉西武に交渉権)らを優にしのぐ。それだけに、ダルビッシュとは意気投合しそうだ。
だが、在京スカウトの一人は、そのダルビッシュこそが斎藤にとっての両刃の剣になりかねない、と指摘する。
「意外なことかも知れませんが、ダルビッシュにはこれといった決め球がない。すべてのボールが決め球にできるレベルにあるから、一つに決める必要がないんです。そんなダルビッシュの感覚や理論に感化されすぎると、今の斎藤ではボロボロになりかねない」
ダルビッシュは、若手を説教するタイプではないが、話を聞きに来た選手に対しては滔々と自身の野球理論をぶつのだという。斎藤との“オタク談議”が、王子の将来にどんな影響を及ぼすか、見ものである。
※週刊ポスト2010年11月12日号