イタリアンといっても、パスタやピザばかりではない。今回は、雑誌『アリガット』元編集長・小川フミオ氏が選んだ至極のイタリアンとして、東京・代官山『ラ・フォルナーチェ』の「焼きリゾット」を紹介する。
米あり麺ありで、イタリア料理は日本人にとって、欠かせないものになりつつある。
この焼きリゾットも「こんなにうまい米の料理がイタリアにあったのか!」と驚くこと請け合いの一品。
手がける代官山のバール『ラ・フォルナーチェ』のオーナーシェフ、小串貴昌さんによると、「イタリアで修業時代に食べてとてもおいしかった」料理とのことだ。
玉ネギをバターで炒め、米を入れてから、白ワインとブロード(出汁)で煮込み、チーズを入れてかき混ぜて粘り気を出したのち、フライパンで焼くのだそう。焦げたバターが実にいい香りだ。
そこに挽肉のラグーソースをのせる。季節によってキノコや旬の野菜を使ったバリエーションも用意される。
小さく見えるがご飯は150グラム。質でも量でも満足ゆく、イタリアの個性的な米料理だ。
■『ラ・フォルナーチェ』の「焼きリゾット」 1250円
【住所】東京都渋谷区代官山町14-24 YMビルB1F
【電話番号】03-3463-9106
【営業時間】10時半~23時(LO)
【定休日】水
【カード】不可
バールを名のる『ラ・フォルナーチェ』は朝10時半に開店して23時のラストオーダーに至るまで通し営業。「イタリア人の生活に根ざしたバールのようでありたい」というオーナーの考えから、朝はエスプレッソ1杯、夜はワイン1杯でも。焼きリゾットは開店から18時まで供される。サラダ、前菜3種盛り合わせ(写真はセグロイワシのマリネ、フリタータなるイタリア風卵焼き、自家製ピクルス)、野菜スープ、食後の飲み物も付く。
撮影■河野公俊
※週刊ポスト2010年11月12日号