「反日」が激化する一方で、中国人による「日本買い」はさらに広がっている。銀座のブランド店や秋葉原の量販店に押し寄せる中国人観光客をはじめ、マグロやサンマなどの「食材」、あるいはアパレルのレナウンや量販店のラオックスなどの「企業」まで、際限がない。その中でも最も深刻な影響が懸念されているのが、日本の土地・不動産の買い漁りだ。ノンフィクション作家の河添恵子氏が報告する。
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新千歳空港から車で15分ほど。千歳市文京に今年7月下旬完成した17棟の中国人富裕層向け別荘も話題を呼んでいる。1区画は380平方メートル、物件は土地を含めて1棟2800万~3500万円で売却された。開発にあたったのは、家具・インテリア製造小売業最大手のニトリの子会社、ニトリパブリックだ。
波紋を呼んだのは、「将来的に、1000棟前後の別荘建設を目指す」という社長の談話が報じられたことだった。
「千歳市文京は工業団地に隣接し、高速道路の拡充・整備が続く交通の要衝でありながら、緑豊かで静かな住宅街の玄関口。地の利が良いこの一帯が近い将来、一大チャイナタウンになってしまうのか」との不安の声が上がっている。
また、明らかに「水源狙い」と疑われる土地購入の動きもある。慢性的な水不足が続き、「水の確保が死活問題」とも指摘される中国にとって、日本の森林面積の4分の1を占める北海道は、掌中に収めたい“超優良物件”だ。そのため、中国系・香港系資本による道内の林地取得が相次ぎ発覚しているのだ。
※SAPIO2010年11月10日号