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櫻井氏「日本は中国の人権活動家に賞を創設して授与すべき」

 最近の菅民主党政権は中国との「融和ムード」を演出しようとしている。しかし、ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、「日本の立場を曲げて推進する戦略的互恵関係など無意味で、菅政権の対中外交は決定的な敗北外交だ」と喝破し、こんな「文化的戦略」を提案する。

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 日本は民主主義国家であり、自由な発言、報道ができる国です。だからこそ、アジア諸国の作家やジャーナリスト、人権活動をしている人々を対象に、例えば「アジア報道の自由賞」や「アジア人権賞」などを創設するのです。

 2008年に、中国の303人の有識者が中国共産党の一党独裁の終結、三権分立、民主化の推進、人権状況の改善などを求めた「零八憲章」という宣言文を発表しました。その発表直前に、起草者のひとりである劉暁波さんが拘束され、今年春に国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決が確定して、今も獄中にあります。

 劉さんは10月8日にノーベル平和賞を授賞しました。しかし、ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は、「反体制派に平和賞を受賞しないよう、中国は委員会に圧力をかけている」と、公に非難しました。

 中国は劉さんの受賞を報じるニュースをブラックアウトさせるなど、情報操作に躍起です。それだけ、自由や人権のために戦っている人を中国政府は憎んでいると言えます。この劉さんのように、自由、人権、民主主義のために命懸けで活動している人に、日本が賞を授与すればいいのです。

 もし中国が圧力をかけてきたら、「あなたの国の憲法に学んで、実践しているのです」と答えればいいでしょう。

※SAPIO2010年11月10日号

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